UA-244051814-1

あの日“打ち込み”は何故、起こったのか

広告

こんにちは。タイガー・ウッズに遠く及ばない、ネコ・林です。
ゴルフプレーヤーにとってベストシーズンがやってきました。天気の良い日は、陽射しを浴びるとまだ汗が出ることもありますが、動きやすくて芝生も元気。ゴルフ場は連日盛況のようですが、コースも渋滞し、イライラする人が増えているかもしれません。だからと言って、前の組を急かして打ち込みするのは厳禁です。
今回は、ゴルフの“打ち込み事故”について、いろいろと考察してみました。

絶対避けたい“打ち込み”、恐ろしい“打球事故”

プロゴルフのトーナメントをテレビで観ていると、稀に打球がギャラリーに当たりラフに止まってラッキーだったみたいなシーンが映ります。大したことないのかと勘違いしてしまうこともありますが、かつて、世界最高峰のPGAツアーにおいて、松山選手の打球がギャラリーの頭に当たり流血したというニュースもありました。
また、ゴルフの打球事故を調べてみると、同伴プレーヤーの打った打球が、30ヤード前に立っていた男性の後頭部を直撃し、その方が亡くなられたという記事もあります。かすり傷程度であれば、後に思い出話になるかもしれませんが、死亡事故ともなると残された家族や打った人のその後はどうなるのでしょう。あまり考えたくない話です。

やってしまった“打ち込み”

実は、先日、ネコは産まれて初めて打ち込みをしてしまいました。幸い、ボールが当たることなく大事には至らなかったのですが、一つ間違えればゴルフ人生終わっていたかもしれません。
ゴルフ歴約40年のネコは、過去に打ち込まれたことは何度もありますが、自分が前の組に打ち込んだことは一度もありませんでした(隣のホールへの打ち込みは、ご多分に漏れず・・・)。それほど慎重にプレーをしてきたのに。

その日は晴れて風もなく、絶好のゴルフ日和でした。日本の男子プロゴルファー3大レジェンドのうちの一人が設計した27ホールからなるコースで、距離は長くはありませんが左右が狭く、極端な打ち上げや打ち下ろしもある、トリッキーなレイアウトが特徴です。
1番、2番をパーで終え、迎えた3番ロングホール。ここは、フェアウェイの220ヤードを超えた地点から先が下っているブラインドホールです。ティーイングエリア近くには信号機が付いていて、我々がそこに着いたときには、すでに信号は青でした。同伴者の先輩二人はこのゴルフ場のメンバーで、初めてラウンドするネコにいろいろとアドバイスをしてくれますが、ネコは念のため、必ずカートナビでコースレイアウトと前の組のカート位置を確認することにしています。
前のカートは280ヤード以上先に進み、さらに動いていることを確認して、バッグからこの日初めてドライバーを取り出します。キャリーが240ヤード程度のネコは迷うことなくスイングすると、ボールはフェアウェイの真ん中に飛んでいきます。落下地点はブラインドで見えませんが、手ごたえは悪くありません。セカンド地点に着くと、ボールはフェアウェイの真ん中、下り斜面の途中にある平らな場所にありました。先輩曰く、ベストポジションだそうです。残り距離からすると270ヤードくらいは飛んだのでしょう。一瞬、前の組のことが頭をよぎりましたが、打つ時点でカートはそれより先にありましたので、それ以上は考えませんでした。

イメージ画像(株式会社テクノクラフト様HPより)

6番ショートのティーイングエリアで前の組に追いつきます。
そこで、一人のご婦人に「貴方白いボール使ってる人?」と尋ねられます。「ええ、そうですが。」と返答すると、「さっき白いボールが私の頭の脇を飛んで行ったの。」4番、5番ホールはブラインドホールではありませんので、3番しかありません。慌てて帽子を取り「申し訳ありません。」と平謝りです。その方も決して怒っている様子ではなく、そういうことがあったという感じの言い方でしたが、とにかく謝罪をしました。他の3名のご婦人にも一人ひとり謝罪し、許しを請いました。幸いなことに、打球は当たらずケガもなく、胸をなでおろしましたが、初めての経験で動揺したのは言うまでもありません。このショートホールをダブルボギーとしてしまいました。ゴルフ保険には入っていますが、だからといってケガをさせてしまっていたらと考えると、とても恐ろしいことです。

なぜ、“打ち込み”は起こったのか?

なぜ、こんなことになったのか?ご婦人方は「大丈夫ですよ。」と謝罪を受け入れてくれましたが、自分の中では消化しきれないモヤモヤが残ります。モヤモヤの原因は距離の計算ロジックです。
先に記しましたが、キャリー240ヤード程度のネコは、カートについているナビで前の組との距離が280ヤード以上あり安全であることを確認して打ちました。下り傾斜にボールが落下して、ある程度は前に跳ねてさらに転がったことは容易に想像できますが、残り距離から推定して280ヤードには届いていませんし、先行組のプレーヤーの頭の横をキャリーやバウンドで超えていくことの理屈が整理できませんでした。もちろん、そのご婦人が初対面のネコに噓を言うはずがありません。
そんなことを考えているとプレーにも影響が出るもので、続く7番のミドルホールではティーショットをチョロしてしまいます。190ヤード地点まで絶壁かと思えるような、極端な打ち上げのミドルホール。15~20ヤードは打ち上げているでしょうか?当然、その先は見えません。前のホールでダボを打ってしまったので、最後にティーショットを打ちますが、ドライバーではまた打ち込みをする恐れがあります。とりあえずクリークで200ヤード辺りにボールを置くことにしますが、高さを出さなければならないこともあり、ヘッドアップしてしまいました。30ヤード先のラフです。先輩たちに気を遣わせないよう顔は笑っていますが、しばらく立ち直れそうにありません。
ラフからのセカンドを再度のクリークで絶壁の上に乗せ、3オンした4メートルのパーパットを入れることができましたが、たまたまストレートラインに付いたラッキーのおかげでした。

心のモヤモヤが晴れた9番ホール

続く8番の短いミドルホールは、ティーイングエリアからグリーンまで見渡すことができる、ある意味安心できるホールです。グリーン手前に池がありますが、1オン狙いの人へのプレッシャーとして配置されているのでしょう。手前に刻めば問題ありません。と、ここであることに気付きます。先行組の動きを見ていると、カートはグリーン近くまで進んでいるのに、件のご婦人はこれから2打目(3打目?)を打つところです。私たちのいるティーイングエリアから打てば、間違いなく届きます。でも、ゴルフにはそういうことがよくあります。ボールが池に落ちたとか、紛失球の処置で打ち直したなどなど。
そして、前半ラストの9番ホール。ここも短い打ち下ろしのミドルホールで、先行組の動きもよく見えます。そして、ここでも同じことが起こりました。カートはグリーン近くに進んでいるのに、同じご婦人は残り100ヤードくらいの地点でこれから打つところです。
そう、前の組は、たびたびカートがどんどん先に進み、後ろから動きの遅い方が付いていくのです。6番ホールで一人ひとりに謝罪したとき、「私は全然(大丈夫)、あの方がね」と発言されたご婦人の様子も何か引っかかっていたのですが、これですべてが肚落ちしたのでした。

自分が“打ち込み”加害者・被害者とならないように

今回このブログでは、わたくしネコの打ち込みが、自分には非がないということを言おうとしているわけではありません。かなり慎重にプレーしていたとしても、ゴルフには“打ち込み”という危険が潜んでいることと、もしかしたら、プレーヤー自らが危険を作り出しているかもしれないということが、多くのゴルファーに伝わればと思っています。

今回のことで、ネコは次の二つのことを学びました。
①加害者とならないように
ブラインドホールでは、先行カートの位置が自身の飛距離では届かない距離、プラス、カートから遅れているプレーヤーがいるかもしれないことを考慮する。

②被害者とならないように
ブラインドホールでは、セカンド以降、カートは先頭を走るのではなく、最後のプレーヤーの動きに合わせる。これは動きが遅いプレーヤー本人というよりも、カートを操作している同伴者が気を付けるべきことです(スロープレーの是非は、また別の機会で) 。
もう一つ付け加えるとするならば、(これは“打ち込み”ではありませんが)ショットするプレーヤーの前には出ないことです。実はこれが一番リスクの高い行為です。至近距離から放たれたボールは避けきれないばかりか、当たれば命を落とす危険もあります。230ヤードの飛距離を飛ばす人のボール初速は、時速約200kmだそうです。どうしても前に出なければならない場合は、物の陰に隠れて、ボールから絶対に目を離さないことです。

かつて、キャディ付きプレーが主流だったころは、各ホールにおけるキャディの行動マニュアルのようなものが存在し、特にブラインドホールでのポジショニングや後続組への伝達ルールが明確にあったはずです。セルフプレーが主流となっている今、ゴルフ場はプレーファストばかりを声高に謳いますが、その数倍のエネルギーを使ってでも、打ち込み防止策を講じ、プレーヤーに対して啓発活動を行うべきだと思います。打球事故が起きてしまってからでは遅いのです。

万一、“打ち込み”してしまったら

しかし、ゴルフに完璧はありません。図らずも打ち込みをしてしまったら、まずは、真っ先に謝罪をすることです。自身のミスであることを自覚し、駆けつけてすぐに謝罪をします。今回のネコのケースは指摘されるまでわかりませんでしたが、先行組が見えるホールであれば反応などでわかります。先方がホールアウトして、次のホールに向かうタイミングで直接謝罪ができればベストです。お互いゴルファーですので、誠意をもって謝罪し、故意でないことを理解してもらえれば、それ以上の騒動にはならないはずです。
もし、ケガをさせてしまった場合は(ここからはネコの良識に従った見解ですが)、その日のプレーはそこまででしょう。相手に付き添って病院へ行き、治療を受けてもらうことを優先します。もちろん、治療費は負担し、その後の経過にも気を配る必要があるでしょう。ゴルファーとして、「あとは保険に任せた」という態度は考え物です。相手が過度な要求をしてこない限りは、自身の顔が相手に見える対応を行うことが、その先のゴルフ人生の手助けになると思います。

故意の“打ち込み”は論外

ネコは、過去に幾度となく打ち込みをされたことがあります。
一番危険だったのが日没にかかったラウンドで、自分たちの組もほとんど周囲が見えない中で最終ホールをプレーしたときのことです。ホールアウトして急いでカートに乗った瞬間、カートの屋根をボールが直撃しました。屋根がなければ誰かの頭に当たっていたでしょう。随分大きな音がしましたが、後続組からの謝罪はありませんでした。ちなみに、その日は自分たちの後に2組いましたが、最終組は無事ホールアウトできたのでしょうか?

更に酷い経験は、北の大地でのことでした。北海道の人は気が短いのか、何度かラウンドしている中で2度ほど打ち込みされました。いずれも、明らかに故意でした。特に、2度目のときはとても悪質で、その日前半のハーフ3回目の打ち込みで頭を越されました。さすがに警告しなければマズいと思い、全身で振り返り、腰に手を当てて睨みつけましたよ。それ以降は収まりましたが、後半スタートまでに20分程度の待ちがあり、そこで顔を合わせましたが、彼らは知らんぷりでした。
同伴していた、すすきので鮨店を経営する友人は、結構打ち込む人が多くて大変だと言っていました。しかし、その一方で、すすきので商売をしている人の中には、打ち込まれたボールを打ち返す強者がいるとも言っていましたので、どちらとも関わりたくないと思ったものです。

いずれにしても、故意に打ち込む行為は犯罪に等しい行為です。そのような人たちにゴルフをする資格はありませんので、即刻退場願います。

コースや道具を大切にし、全てのゴルファーに敬意を払うグッドゴルファーのためのブランド
【風砂草水(FuSaSoSui)】 https://fusasosui-golf.com/pages/concept

URLをコピーしました!