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ゴルファーと”たんぱく質”のただならぬ関係

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こんにちは。タイガー・ウッズには遠く及ばない、ネコ・林です。
最近なぜだか「たんぱく質」にハマっていまして、こっそり勉強しています。
思い起こせば20歳のころ、友達グループで夜中に出発し、車中泊で若狭湾まで弾丸海水浴に何度か行ったことがあります。運転手の自分は、その都度『へとへと』になって帰ってきたのですが、ある時、翌日の朝にまったく疲れを残していないことがあり、まさか、やっぱりアレが効いたのか思ったことがあります。そのアレとは、赤身肉のステーキです。地元に帰ってきた夜、仲間たちと一緒に立ち寄ったレストランで一人奮発したのでした。赤身肉と言えば「たんぱく質」というイメージですが、本当に赤身肉(たんぱく質)には疲労回復効果があるのでしょうか?サラリーマンゴルファーにとって、疲労回復は「ラウンド翌日をどう乗り切るか」という重要な要素でもあります。
一方で、疲労回復以外にもたんぱく質がもたらす身体への効果には、どんなものがあるのでしょうか?

ということで、今回は「たんぱく質」について調べてみました。

たんぱく質には痩せる効果もある?

たんぱく質について勉強していると、人体にとってとても重要な栄養素であることを認識させられます。なにしろ、三大栄養素のひとつですからね。ゴルフを含めてスポーツを楽しんでいる人は、食事による栄養が自分の身体やプレーそのものに及ぼす影響も知っておくと、もっともっと楽しめるのではないかと、今更ながら思うのです。

良質なたんぱく質をしっかりと摂取することで、次の効果が期待されます。

  • 筋力アップ
  • 美容・ダイエット
  • 健康・疲労回復

1.筋力アップ

スポーツ選手にとって、筋力があるのとないのでは結果に大きな違いが現れます。メジャーリーガーの大谷選手はプロ入りしてから年々身体を大きくしていき、ご存じの通り、今ではMLBを代表するスラッガーとなりました。オフにはかなりハードなトレーニングを行っているそうです。その大谷選手がWBCの日本代表としてチームと合流したとき、とあるチームメイトにこんなことを伝えたそうです。
『技術はごまかし。パワーだ。』
意味合いとしては、「まずフィジカルを鍛えて出力を高め、その上に技術を積み上げる」ということのようです。

ゴルフでもタイガー・ウッズから始まった筋トレは、今やほとんどの選手が取り入れ、ブライソン・デシャンボーのように、筋力アップによるロングドライブで観客を沸かせる選手も出現していますね。

筋力アップには、相応の運動と十分なたんぱく質の摂取がセットになっていますが、驚くことに、たんぱく質量が不足すると、運動するたびに筋肉が減ってしまう恐れがあるのです
筋力アップとたんぱく質の関係については、以下のブログの目次「筋肉が増える仕組み」の辺りで詳しく説明しています。

「筋肉が増える仕組み」を見てみる

2.美容・ダイエット

美容・ダイエットと筋力アップは密接に関係しています。
そこには、筋肉が消費するエネルギー量に加えて、筋肉が作り変えられるときに消費するエネルギー量がポイントとして挙げられます。
筋肉の基礎代謝は筋肉1㎏あたり13キロカロリーです。そして、あまり知られていないかもしれませんが、筋肉は合成と分解を繰り返しながら、毎日少しずつ作り変えられています。たとえ運動をしていなくても、筋肉量を維持するために全体量の約1.8%が日々生まれ変わります。この時に必要なエネルギーが、筋肉1㎏あたり541キロカロリーといわれています。

仮に、筋肉量が24㎏の人であれば、1日の基礎代謝量は312キロカロリー、筋肉の作り変わりにかかるエネルギーが234キロカロリーで合計546キロカロリーとなります。
筋肉量が少ない14㎏の人の場合は、1日の基礎代謝量が182キロカロリー、作り変わりにかかるエネルギーが136キロカロリーで合計が318キロカロリーとなり、その差は228キロカロリーです。30日で6,840キロカロリー多くエネルギーを消費することができます。
体脂肪1㎏の燃焼につき7,200キロカロリーを消費しますので、筋肉量が多い人は特段何もしなくても、約1カ月で1㎏多く脂肪を燃やすことができるということになります。

つまり、筋肉量が多い人は、筋肉量が少ない人に比べて身体が引き締まって見える上に、太りにくい体質になっているのです。ちなみに、228キロカロリーは、30分間のランニングで消費するエネルギーに匹敵しますので、ジムや自宅周りでジョギングをしてエネルギー消費をするよりも、筋トレをして引き締まった身体づくりをした方が、効率よくダイエットができるといえます。

筋力アップには、運動と良質なたんぱく質を十分に摂取することが重要です。
一方で、ダイエットにおいて『糖質制限』を行っている(行おうとしている)人もいると思いますが、極度な糖質制限は逆効果になる恐れがあります。
糖質(炭水化物)は身体を動かすための重要なエネルギー源となっていますが、極端な制限により糖質が不足すると、十分なエネルギーを作ることができなくなった体は、たんぱく質や脂質を分解してエネルギー源とします。たんぱく質を分解するということは、筋肉が分解されその量が減少するということになります。筋肉量の減少は即ちエネルギー消費量の減少となり、基礎代謝量が減り痩せにくい体質となってしまうのです。
ダイエットを効果的に行うためには、運動+たんぱく質+適度な糖質および脂質をセットとして考えた方が良いでしょう。

3.健康・疲労回復

「ゴルフ翌日の仕事がつらい」という経験は誰しもあると思います。
冒頭で、「赤身肉(たんぱく質)が疲労回復に役立ったのでは?」と書きましたが、肉体的な疲労回復にたんぱく質は欠かせない存在です。
肉体疲労の原因は、体内エネルギーの枯渇といわれています。エネルギー源は主に糖質ですが、先に記載の通り、体内の糖質が不足すると『たんぱく質や脂質を分解』してエネルギー源とする作用が働きます。身体が疲れを感じたときは、糖質やたんぱく質が不足した状態になっているというサインですので、意識してたんぱく質を摂るようにします。

楽しくラウンドした日には、翌日に疲れを残さないよう良質なたんぱく質と、よく言われるとおりのビタミンB群を摂ることをお勧めします。また、アスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸には疲労回復効果がありますので、これらを積極的に摂取することも併せて考えましょう。

たんぱく質とは

たんぱく質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれている栄養素で、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどと共に、人体、生命の維持に必要不可欠なものです。筋肉以外に、臓器、皮膚、骨、毛髪などの主要成分として活用されています。

たんぱく質はアミノ酸でできている

食事によって取り込まれたたんぱく質は、体内で一旦アミノ酸に分解されます。そして、血流にのって全身の各部位で機能するたんぱく質として再合成されます。再合成されるたんぱく質は10万種類以上とされていますが、それを構成しているのがわずか20種類のアミノ酸で、そのうちの1種類でも欠けるとたんぱく質は合成されません。

体に必要不可欠な20種類のアミノ酸

体内で合成される10万種類のたんぱく質は、わずか20種類のアミノ酸の組み合わせによって作られます。20種類のアミノ酸は、人体で合成することができる「非必須アミノ酸」11種類と、合成することができずに食物から摂取する必要がある「必須アミノ酸」9種類に分かれます。食事から必ず摂取しなければならないという意味で「必須」となっていますが、先述の通り、20種類のアミノ酸のうち一つでも欠けるとたんぱく質の合成ができませんので、体にとってはすべてが必須であることに変わりありません。もし、必須アミノ酸が足りていないのではと心配な時は、サプリメントなどで補うのも一考です。

【必須アミノ酸】

アミノ酸名役割・効果
イソロイシン筋肉を強化し、身体の成長を促す。肝臓などの働きを高める。
ロイシン筋肉を強化し、肝臓の働きを促す。取り過ぎると免疫力が低下するので注意。
リジン身体の成長を促し、身体組織の修復に関与するほか、代謝促進や抗体などの材料にもなる。小麦粉や精白米に不足しがちなアミノ酸。
メチオニン抗うつ効果やヒスタミンの血中濃度の低下、体の構成成分になる。
フェリヌアラニンドーパミンなど神経伝達の物質の材料となる。血圧を上昇させる。
スレオニン脂肪肝を予防し、体の成長を促す。酵素の活性部位などを形成する材料になる。
トリプトファンセロトニンなど神経伝達物質の材料になる。鎮痛作用があり、免疫力を高める。
バリン筋肉を強化し、身体の成長を促す。血液中の窒素量を調整する。
ヒスチジン幼児の発達に必要で、神経機能を補助する。
眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話(日本文芸社)より

【非必須アミノ酸】

アミノ酸名役割・効果
チロジンアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質の材料になる。
システイン毛髪や体毛に多く含まれるアミノ酸。濃いメラニン色素の産生を抑え、黄色いメラニンを多くつくるよう働きかける。
アスパラギン酸エネルギー源として利用されやすいアミノ酸。新陳代謝を高め、疲労回復、スタミナ増強、持久力を高める。
アスパラギンアスパラガスから見つかったアミノ酸。アスパラギン酸の誘導体として働き、新陳代謝を向上させる。
セリンリン脂質や脳の神経細胞などの材料になる。睡眠改善効果などがある。
グルタミン酸脳や神経の働きを助け、疲労回復効果もある。だしのうまみの素になる。
グルタミン体に最も豊富に含まれるアミノ酸のひとつ。腸管のエネルギー源として利用され、胃や腸管を守る。アルコールの代謝を高める働きがあることが報告されている。
プロリングルタミン酸から合成されるコラーゲンの材料。プロリンは皮膚に潤いをもたらす天然保湿成分(NMF)として最も重要なアミノ酸のひとつ。
グリシン体内に広く存在し、運動・感覚など体の調整を行う。コラーゲンの1/3を構成している。
アラニン肝臓のエネルギー源として利用され、糖を合成する材料としても使われる。
アルギニン血管を広げて血液を通りやすくするのを手伝う。成長ホルモンを合成するので、子供にとっては必須アミノ酸に含まれる。
眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話(日本文芸社)より

たんぱく質には動物性と植物性がある

たんぱく質には動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があることは良く知られていると思いますが、それぞれ特徴や性質が異なるため、身体への働き方にも違いが生じます。

動物性たんぱく質植物性たんぱく質
必須アミノ酸豊富動物性より少ない
体内吸収率95%以上80~85%
その他の栄養素ビタミンB群食物繊維
期待できる効果疲労回復・筋力アップ健康・ダイエット
代表的な食べ物肉・魚・卵・乳製品納豆・豆腐・そば・玄米

動物性たんぱく質の大きな特徴として、身体に必要なアミノ酸を豊富にバランスよく含んでいる点があります。特に必須アミノ酸の含有率が植物性たんぱく質と比べて多く、筋肉や組織の合成を促すたんぱく質を効率よく摂取できます。
植物性たんぱく質は、動物性たんぱく質と比べると必須アミノ酸は多くはありませんが、脂質が少ないうえに脂肪の燃焼を助ける効果も高く、体脂肪が気になる人向けです。
ただ、植物性たんぱく質は体内吸収の点で効率が悪く、動物性たんぱく質と同量のたんぱく質を摂取するには1食当たりの量を増やす必要があります。どちらかに偏ることなく、一日の食事の中で動物性と植物性を上手に組み合わせるとよいでしょう。

ラットを使った実験

ある栄養学を学ぶ大学で、次のような実験がなされました。
ラットAには小麦粉たんぱく質(植物性)を使った飼料を、ラットBには牛乳からとれるカゼインたんぱく質(動物性)を使った飼料をそれぞれ8日間与えて成長度合いを比較するというものです。

【結果】
ラットA(小麦粉たんぱく質)  体重が約1.3倍に成長
ラットB(カゼインたんぱく質) 体重が約1.6倍に成長

動物性であるカゼインたんぱく質を与え続けたラットのほうが成長が早いことが確認されました。

質の良いたんぱく質とは

ラットによる実験で、何故その差が出たのか?
それは、小麦粉のたんぱく質よりも牛乳のたんぱく質のほうが良質であるからです。たんぱく質においては、9種類の必須アミノ酸の含有量が、WHOなどの国際機関が定めた必要量をそれぞれ満たしていることが良質であるとされています。

たんぱく質の質を計る指標に「アミノ酸スコア」というものがあり、9種類の必須アミノ酸のすべてが必要量を満たしている食物はアミノ酸スコアが【100】で良質であるとされています。
グラフでは、牛乳を原料としたカゼインたんぱく質は、全ての必須アミノ酸の必要量を満たしていることがわかりますが、小麦粉たんぱく質は「リジン」が必要量の42%しかなく、アミノ酸スコアは【42】となります。他の必須アミノ酸が十分であっても、栄養素としては低い評価となってしまいます。

アミノ酸スコア「桶の理論」

9種類の必須アミノ酸には、一つでも必要量を満たしてしないと、それ以外のアミノ酸が桶から漏れてしまい全体としての栄養素が低くなってしまうという理論があります。
全ての必須アミノ酸が必要量を満たしている「アミノ酸スコア」が【100】である食材を十分な量を取るように心がけると、効率的に良質なたんぱく質を摂取できるようになります。
アミノ酸スコアが100とされている代表的な食物として、「肉・魚・卵・乳製品・大豆製品」などが挙げられます。

たんぱく質の摂取量

1日に必要なたんぱく質量は人によって異なります。スポーツ選手など運動量の多い人は、そうでない人の2倍以上の量を摂取しなければ、パフォーマンスを維持することが困難になります。必要量は次の計算式で導き出せます。

 身体活動レベルが普通の人
 運動や筋トレする人
 高齢者(70歳以上)

体重(kg)× 0.9(g) = 1日に必要なたんぱく質量(g)
体重(kg)× 1.6(g) = 1日に必要なたんぱく質量(g)
体重(kg)× 1.06(g) = 1日に必要なたんぱく質量(g)

体重60kgの人の場合、活動レベルが普通の人は54gですが、日々トレーニングを行っている人は96gとなります。また、その運動量によって係数を1.0~2.2(g)に置き換えます。トレーニングをしても筋肉量がなかなか増えない人は、たんぱく質量を増やしてみることをお勧めします。

更に重要なこととして、1日に必要な量は3回の食事に等分して摂取するということです。書籍『眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話(立命館大学スポーツ健康科学部教授藤田聡著)』によりますと、1日に必要な量を1食でまとめて摂取しても、体内で利用しきれずに余剰分が排出されてしまうそうです。また、筋たんぱくの合成には一定以上のアミノ酸の血中濃度が必要とされており、一度の食事で摂取するたんぱく質量が少ないと、アミノ酸の血中濃度が上がらず筋合成が行われません。そのうえ、たんぱく質不足による筋肉の分解が始まってしまうため、各食事において必要十分な20~30g(体重60kgの場合)のたんぱく質を取ることが重要であると述べています。

不足分はプロテインで補える

肉や魚100gあたりに含まれるたんぱく質量は16~20g。豆腐100gでは6~7g。牛乳、豆乳がコップ一杯6~7gですので、毎食時に20~30gのたんぱく質を摂取することは、少し難しいかもしれません。特に、昼食は外食やコンビニで簡単に済ませてしまい、栄養バランスまで気を配れない方も多いのではないかと思います。また、トレーニングや運動をした後は、筋肉も分解されてエネルギー源として消費されます。
そんな時にはプロテインが有効です。粉末30gを水に溶かして飲むだけで、たんぱく質を20gほど取ることができます。水の代わりに牛乳を使えば、さらにたんぱく質量をアップすることができます。今後、プロテインはアスリートや筋トレ愛好家だけのものではなく、万人の栄養源としてもっと身近な存在になるとネコは考えています。

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