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日本女子オープンにみるゴルフの楽しさ

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第55回日本女子オープンゴルフ選手権は、勝みなみ選手の逆転での2連覇でした。
史上3人目の2連覇という偉業を達成した勝選手、おめでとうございます。
途中逆転を許しながらも、最後まで諦めずに果敢にチャレンジし続けた申ジエ選手にも、拍手を送りたいと思います。
そんな、2022年の日本女子オープン最終日を、テレビ観戦しながら感じたことをまとめてみました。

日本女子オープンゴルフの歴史

日本女子オープンゴルフは、1968年にTBS女子オープンとしてスタートしました。第1回の優勝者は、女子プロゴルファー1期生の樋口久子さん。樋口さんは第4回まで4連覇した後も、第9回と第10回の2連覇を含む歴代トップの8勝をあげています。1971年開催の第4回から日本ゴルフ協会の主催試合となり、大会名も「日本女子オープン」に改められています。
第49回(2016年)には、畑岡奈紗選手が史上初のアマチュア優勝を飾り、直後にプロ転向しました。畑岡選手は翌年も大会最少ストローク(20アンダー)でこの大会を制し、2人目の連覇を果たしています。

メジャーセッティング

今年の大会コースである紫カントリークラブすみれコースは、メジャー大会らしいセッティングに見受けられました。
フェアウェイの傾斜がきついところでは、ボールのスピンを左右の傾斜にぶつけていかないと、簡単にファーストカットを超えてラフまで転がってしまいます。野芝のラフは12~13センチはありそうです。これだけ深いと、ボールのコントロールは不可能でしょう。加えてコンパクション23.5、スティンプメーター12フィートの固くて速いグリーン。ラフに入ったら花道に置くというマネジメントをしなければ、傷口が広がる一方です。
プロの技術をもってしても、簡単にダブルボギーやそれ以上を打ってしまうセッティング。そんな中で何とかパーを拾っていく選手たち。見応えありました。
【コース管理の皆様、素晴らしいコンディションに仕上げていただき、ありがとうございました。】

申ジエ選手の不運

16番を終えて2アンダーでトップに並んでいた勝みなみ選手と申ジエ選手。1打差には申選手と同組の吉田優利選手が食らいついています。この3人、終盤の17番で明暗を分けました。
最終組の一組前、グリーン上にいた勝選手のバーディにどよめく歓声が、ティーショットを打たんとする申選手の耳に入ります。それまで、ほとんどパーフェクトに近いティーショットを打っていた申選手は、動揺したのか打ってはいけない左のバンカーに入れてしまいます。後のない吉田選手も同様に、力んだのか同じバンカーに入れてしまいます。
421ヤードの長いミドルホールでは致命的なミスです。

紫カントリークラブのHPより

バンカーの、ほぼ同じ場所から先に打つ吉田選手のアイアンショットは、アゴに当たります。それを目の当たりにしながらも、申選手は5番ウッドを選択。その時、こんなことを考えていたのではないかと推察します。
「18番のロングでは、勝選手は必ずバーディを取る。自分も同様にバーディを取っても追いつけないから、このホールバーディが必要。まずは2オンさせて、何とかバーディパットをねじ込む。高さが出るクリークであれば、アゴもクリアできるのでは。」おそらく、申ジエ選手はこのように考え、クラブ選択をしたのではないでしょうか。メディアのコメントでは100%出ると思っていたというショット。しかし、ショットはギリギリでアゴに当たり目の前のラフへ。痛恨のボギーとしてしまい、その差は2打に開きます。

優勝争いをする選手の心理

しかし、もしも申選手が17番をより安全な3打目勝負でパーを取りに行ったら、違う展開も想像できます。(タラればですけどお許しを。)
1打差リードの勝選手は、18番のティーイングエリアでこんなことを考えるでしょう。「後から来る申選手は18番で必ずバーディを取る。イーグルもあり得る。自分はバーディがマストだ。」
2打差の場合、相手がバーディでも逃げ切り、イーグルならプレーオフと考え、バーディ逃がしのパーという安全な攻めができますが、バーディが必須となると心に乱れが生じます。申ジエ選手が、17番でそこまで考えたうえでの戦略だったのか?とても興味が湧くところです。

今回のようなスリリングな試合展開になると、選手心理などの深読みでテレビ観戦も一層楽しくなりますね。
とにもかくにも、勝選手は強かった。2年連続優勝おめでとうございます。来季はアメリカツアーへの挑戦も公表していますから、是非ともQスクールを通ってツアーライセンスを獲得してほしいものです。

一方で、気になるシーンが

一方で、気になるシーンがNHKの中継に映っていました。
とある大物選手は、これまでメジャータイトルにあと一歩で手が届かず、昨年大会でも悔しい思いをしていました。
2日目を終えて十分に優勝を狙える位置に付け、3日目も何とか持ちこたえて最終日に爆発すればチャンスがあるポジションです。9、10、11番と3連続バーディで波に乗り、この時点で通算1オーバーは「もしかして」と周囲も本人も考えたに違いありません。テレビの中継では、優勝争いをする最終組とその前の組を中心に展開していましたので、その大物選手は2回ほどVTRで目にしただけなのですが・・・。

16番の長いバーディパットを沈めたとき、18番の最後のパットをカップインさせたとき、笑顔どころか誰もがわかる仏頂面。難しい14番で大たたきをし、自分に腹を立てていたのだと思いますが、ゴルファーとして、見ていてとても嫌な気持ちになりました。たった2回の表情を見ただけで決めつけるのは酷かもしれませんが、同伴プレーヤーに対する配慮や敬意がまったく感じられません。もちろん、観戦に来ている多くのファンに対しても。
我々アマチュアゴルファーのラウンドでも、自分の思い通りにいかず終始不機嫌な顔で同伴者を困らせる人がいますが、自分のことしか見えていないのでしょう。ゴルフは、自分一人では成り立たないゲームです。自戒の意味を込めて、敢えて記しておきたいと思います。
それに引き換え、敗れた申ジエ選手は、優勝争いの中でミスをしても口角を上げ、内心を表情に出さないプレーをしていました。やはり元とは言え、世界ランクナンバー1の選手はメンタルが強く、見ている人たちのお手本となりますね。

では、今日もグッドマナーでグッドプレーを!

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